@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

JavaScript: The Good Parts ―「良いパーツ」によるベストプラクティス

IE6が死にそろそろ業務向けのWebアプリケーションでもクライアントサイドで処理を動かすいい時期だと思う。お手軽に動きをつけるならjQueryがいい。ソースコードが増え1000行超えると、仕様が変わったときにどこを修正したらいいか分からなくなる。しかしJavaScriptにクラスはない。どうすればJavaScriptらしく構造化されたソースコードを書けるのだろうか?まずはJavaScriptを知ることだ。

概要

良い点

薄い。なんと198ページ。オライリー本なのに電車の中で立って読める。ジャパニーズサラリーマンの勉強環境に最適。JavaScriptそのものに集中していて、JavaScirptの一通りの文法説明と、EffectiveJavaのようなJavaScriptではまりやすいポイントを凝縮してくれているのがうれしい。
書き方を主張するだけでなく、主張通りに書いたかどうかチェックするためのJSLintを作ってるのもプログラマ的にかっこいい。

悪い点

ブラウザやDOM操作に関する話が書いてない。簡単にDOMを操作して動きをつけたいならjQueryクックブック読むといい。

「if文には必ず大括弧をつける」とか癖が強く、もうちょっとゆるくてもいいかなと思う。JSLintを使うと特に。インデントに関しては本書でほとんど触れてないのに、すげえ固くて緩めるオプション無い。どうかと思う…。

読み方

どんな点に注意して読むか。

目次
  • 訳者まえがき
  • はじめに
  • 1章 良いパーツ
  • 2章 文法
  • 3章 オブジェクト
  • 4章 関数
  • 5章 継承
  • 6章 配列
  • 7章 正規表現
  • 8章 メソッド
  • 9章 スタイル
  • 10章 美しい機能たち
  • 付録A ひどいパーツ
  • 付録B 悪いパーツ
  • 付録C JSLint
  • 付録D 鉄道ダイアグラム
  • 付録E JSON
  • 索引
1章 良いパーツ

本書を読む意味が書いてある。JavaScript知りたくて読んでるんだろうから、さして重要じゃない。もしJavaScriptの動かし方を知らないなら、「1.3 プログラムをテストする簡単な方法」 を読むこと。

2章 文法

リテラルとか命令文とか式とか文法用語を知らないなら読もう。単語だけ拾ってわからなかった時に戻ってこよう。

3章 オブジェクト

基本。知らないとほかの話が読めないので一通り読む。

4章 関数

とても重要なので何度も読むべし。

5章 継承

読むだけでは理解が難しい、手も動かそう。

6〜8章

リファレンス。さらっと読み流して、使うときに逐次戻ってこよう。

9章 スタイル

うーんどうでしょうね。4Pしかないから一応読んで。深い話をすると宗教になる。

10章 美しい機能たち

タイトルが魅力的だけど、中身は自分語り。どうでもいい。

付録A ひどいパーツと付録B 悪いパーツ

これは必ず読め、JavaScirptの罠。知らないでコーディングするとバグを埋め込む。

付録C JSLint

読んでおくと、コーディングの美学がわかる。読みやすくて間違いにくいコードの書き方。これも深堀すると宗教。

付録D 鉄道ダイアグラム

パーサを書かない人には何の役にも立たない。読み飛ばしてよい。

付録E JSON

E.3のJSONパーサのソースはお手本として手ごろでよい。スタイルとかモジュールとか反映されてる。格好の写経ネタ。