@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

XPの志は伝わっている。XP祭りでおまいらの気持ちをバリバリ感じたよ。

まえがき

なぜかここまで書いてるのに公開してない下書きを発見したので、4か月後の公開。

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XP祭り2011に行ってきました。基本的に書きたいことはほとんどツイッターで呟いちゃったのでまとめだけ。

XPを知らない人向けに一応説明しておくと、WindowsXPは関係ないです。アジャイルプロセスの一種でExtremeProgramingの略です。形としてはプラクティス(TDDとかペアプロとか)集でしかないんだけど、それ以上の何かがあってずっと人々を惹きつけ続けています。

社長パネル

XPコミュニティの社長さんが集まって、証人喚問(観客からの質問を受ける)形式で答えていきます。実は途中からしか見てません。

  • Q: 社外勉強会/社内勉強会について一言ずつ
    • 野口:「社内勉強会はやってないが、原稿を書けない人を集めて缶詰会をやっている。」観客:笑
    • 倉貫:「社長が買った本を社員に回している。」
    • 濱:「勉強する人の問題。教えてもらうだけじゃなくても、INPUTを受けてOUPUTをすると良い。」
    • 和田:「業務に拘らず部署を跨いで取り組めるところが良い。」
  • Q:イベントなどの講演/参加について本業とボランティアとの棲み分けは?
    • 懸田:「愛媛では人が集まらない。参加者数に拘らず、二人から始めていくとよい。」
    • 和田:「必ず仕事によいフィードバックがある。仕事の話につながることがある。」
    • 倉貫:「コミュニティ活動は趣味。社長になって会社色を出したくないのでXPJUGの代表を辞退した。」
  • Q: アジャイルな技術で注目してるものは?
    • 和田:「Continius Deliveryに注目してる。いつでもリリースし続けるのはお客様にも価値があると思う。」
    • 平鍋:「もう一度モデリングに取り組むと良いと思っている。」
  • Q: 社員のモチベーションをあげるには?
    • 野口:「この人と何をしたかったのかを思い出すようにしてる。」
    • 倉貫:「プレスリリースやイベント出品などの短期的なゴールを設定する。」
    • 濱:「上がっているモチベーションを下げないようにする。」
    • 和田:「技術が好きな人は、一定割合で新しい技術を混ぜるようにするとモチベーションが上がる。」
    • 懸田:「どうしても波があるので気にし過ぎちゃいけない。」
    • 平鍋:「最近悩んでいて、新入社員を入れようか考えてる。」
  • Q: 社員を飲みに誘う?
    • 平鍋:「東京では割に気軽に一緒に飲みに行っている。」
  • Q: 採用する条件は?
    • 和田:「コードを書いてもらって判断する。会社を続けるという意味で自分より10歳以上若い人を取りたい。」
    • 濱:「好きか嫌いかだけで判断する。」
    • 倉貫:「コードを書きたいだけの人はだめ、お客さんと話ができる人。ザッポスを参考にして、何回も話し合って長い時間をかけて対話して決めている。」
    • 平鍋:「チェンジビジョンは明るくて若い人、コードを書ける人。永和システムは文系も取っている。」
  • Q: 社長としてのミッションは?
    • 平鍋:「まず営業。なるべく多くの人に自分たちの仕事を知ってもらう。次にチームビルデング、お金。」
    • 倉貫:「ビジョンを考える。決める。」
    • 濱:「変態でありたい。流行り廃りからいかに外れていくか、流れに飲まれると小さい会社は埋もれてしまう。」
    • 懸田:「変わることを恐れない。」
    • 和田:「人間であることを忘れない。10年先、20年先の仕事も別スレッドで進めておく。」
  • Q: 2001年9月の自分にアドバイスするとしたら?
    • 和田:「コミュニティに参加するのは無駄にならないから続けてよい。卒論をちゃんと書いた方がいい。」
    • 懸田:「お前がやりたいと思うことをやるといい」
    • 濱:「アジャイルをそのままやってていい。10年後にも同じお客さんと仕事できてる。」
    • 倉貫:「小井土さん怖くないよ。後ろの方で見てないで早く話しかけると良い。」
  • Q: 私の一冊は?
    • 濱:「XPプログラミングの白本。生き方としては般若心経」
    • 懸田:「『忘れられた日本人』昔の人の方が生き生きしてた。今の方がダメだなと気づかされる。」
    • 和田:「デール・カーネギー『人を動かす』自分の人生を決定的に変えた。『はじめめの一歩を踏み出す』職人が独立するときに職人のままではすぐに壁にぶつかる、といったことが書いてある。」
    • 野口:「本を読むのは純粋に趣味。時代を生きた誰かと二人の時間を共有するために読んでる。」
  • Q: 社員を評価するポイントは?
    • 濱:「評価してもらうためには、一発のラッキーよりしっかりした土台を作って底辺を上げると良い。」
    • 和田:「評価のための指標は無い。主観での評価になる。自分の中でフェアになるように気を付けてる。他人からフェアじゃないと言われるのはしょうがない。」
  • Q: 最後に一言
    • 濱:「社長は人間としては不出来な人が多いので、社員の人にはしっかりやって支えてあげてほしい。」
    • 平鍋:「社長にはならないほうがいい。社長になると戻れない、不可逆。社長になると学ぶこともいいが、必ずしも皆さんには進めない。」
    • 倉貫:「やりたいことのために役職を変えてきた。ビジネスモデルを変えるために社長になった。社長になりたい人は逃避や儲かるからとかより、ビジョン(夢)と実現するためのビジネスモデル(金)を持ってほしい。」
    • 懸田:「勢いで飛び出してつらいこともあったけど、後から見たらよいこともある。やってみることが大事。ダメだったら考えてみるのがアジャイルスタイル。」
    • 和田:「会社は個人と個人のつながりの一つ。人との出会いで今がある。せっかく来ているので、今日の場をそういうきっかけの一つにしてほしい。」

TDDミニ

TDD Boot Campの超圧縮版。TDDは経験済みだが、最近のTDD人気をにひかれたのとTDDをどうやって伝えているかに興味があったので参加しました。特に興味を引いたのが

テストの再分類。
TDDのテストはDeveloperTesting(開発者が開発を進めるためのテスト)。顧客(の受け入れテスト)やQA(非機能要件、保守性の検証)のテストではない。

TDDについて話すと毎回テストが指しているものに関して誤解を受ける(範囲が広すぎる言葉なので聞き手のそれぞれの文脈で解釈して、ユーザが思い浮かべるテストとQAの人が思い浮かべるテストとプログラマが思い浮かべるテストは全部違う)ので、最初に説明してしまうのは大事だと思った。

動作する、きれいなコードへ。教科書的にはきれいな設計をしてきれいなコードへ。だが、設計が完璧になったて、どうやったらわかる?いつまでも設計フェーズから抜けられない、完璧主義の呪い。TDDでは動くコードを先に作る。

TDDと黄金の回転。コピペでもなんでも動くコードを書く。動くままできれいなコードへリファクタリングする。これをグルグル繰り返して、「動作する、きれいなコード」へ。

ペアプロで唯一機能しない組み合わせは初心者-初心者。

テストメソッド名を日本語を付けることをためらわないで下さい。(プロジェクトの規約が許せば)

assertファースト。最後のasaertの行から最初に書く。assertを書きながら、メソッド名やパラメータの名前などをペアと相談しながらつける(設計する)。

仮実装(FakeIt)。テストコードのテストをする。あらかさまな実装(assertで期待する固定値を返す)をする。

明白な実装。仮実装なしで実装すること。テストコードに不安がある場合は仮実装をする。不安が無い場合はいきなり実装する。不安に応じて速度をコントロールする。

ペアでどういうテストを書いたらいいかが合意できればよいということを何度も言ってたのが印象的だった。

XP入門

500 Internal Server Errorに言いたいことが、そのまま書いてあるので引用。

当日まで開催することをまったく知らなかったのですが、午後のXP入門で「白本の読書会をやる」と聞いたので、フルで参加しました。

内容は、まず平鍋さんのXP白本に対する思い出、ポイントを聞いた後で、グループ事に書籍(あるいは用意されていたコピー)の指定箇所を読んで、気づいたこと、疑問点について話し合う、というスタイルでした。

平鍋さんの白本に対しての思い出は、それだけで、その場にいてよかった、という気が皆したのではないでしょうか。


「水があると休憩が取れる」という謎の文の意味はトイレに行くかららしい。

LT祭り

トピックだけ

  1. スクラムを麻雀に例えるのおもしろいのに、時間配分もったいない
  2. @take3000 さんが以前会った時(4/末)から人相変わり過ぎてて誰だか分からなかったのは内緒の話。
  3. らっくん:「僕は男の子です」観客:笑

懇親会

XP祭りが他の勉強会と違うのは、勉強しに来てるというより自分の周りの何かを変えに来てる人たちが多いとこ。 XPの Social Changeの志は受け継がれてる。XP祭り楽しかったです。「アジャイルやって、いい仕事を全力でやれる業界したかった」んだって思い出せました。こういう場を守ってくれているスタッフのみなさんに感謝!