@ledsun blog

Hのキーがhellで、Sのキーがslaveだ、と彼は思った。そしてYのキーがyouだ。

SIがアジャイルやってよくならない点

SIでアジャイルをやるとハイブリッドアジャイルWater Scrum Fallになります。しかし以下の4点は解決はしません。SIのビジネスモデルでアジャイルが無理なのではなく、「期間と機能を固定して受注する」と変えられない点です。

  1. 営業中は、システム担当者は動くシステムを見れない*1。営業マンは見たことないシステムを想像しながら見積もるという高度なヒアリング技術が必要なまま。
  2. 開発会社とシステム担当者間で落とす機能を合意しても、「偉い」ユーザーの一声で落とした機能が復活する。多層構造*2による意思決定の遅さは残ったまま。
  3. 予算の見積もりは超過方向にしかブレない*3。(予算)見積もりのバッファ問題は残ったまま。
  4. チームメンバによってベロシティ(開発速度)が2〜3倍は変わる。しかし単価はそれほど(40万〜80万)変わらない。

アジャイルといっても現時点でのSIのビジネス面へのインパクトは「少数精鋭の技術者で作った方が人件費が安い」だけです。他社がコストを下げるならやるしかありません。しかも少人数開発では未熟なメンバを入れた時のインパクトが大きく人材育成が難しくなります*4

つまり今までやってきた、人を沢山動かしてピンハネするビジネスが成り立たなくなります。今後、SIはマネージャー職*5を養えなくなります*6。SI社員のキャリアパスはほとんど技術者になります。技術者が技術を磨いて人月80万になっても年960万しか売上はあがりません。すると年収は500万*7。SI入ろうと思ってる学生は気をつけてください。また、小規模なSIでは営業、経理、法務の分業できないため、そこまでできる技術者は教育コストを支払わないで済む分個人事業主として働いた方が有利になるかもしれません。

これを打開するためには、元請け契約*8を技術者単価×期間の契約にする必要があります。しかしそのためにはユーザ企業に今までの請負契約より良い点を納得していただく必要がありますが、いまのところそれに成功した企業は見たことがありません。

*1:アジャイルではイテレーションを繰り返しながら動くシステムからのフィードバックを次のイテレーションでの開発内容に生かしていくが、営業中はまだイテレーションが始まっていない。

*2:ユーザ企業内に多層構造が残っている。

*3:開発初期で前倒しで進んで別の機能を追加、開発後期で工数が膨らみ超過。必然的に期間を延ばして対応すると人件費が膨らみ経費も自動的に膨らむ。逆に全開発期間で工数が少なくて済んでも機能改善で工数を使ってしまうため予算は余らない。同じ顧客となら前回きつかったので今回大目に発注してくださいとかできるが、短期的に複数プロジェクトでポートフォリオを組むことができない。

*4:エースが面倒見るとプロジェクトの進行が遅くなる。プロジェクト期間が延びれば経費は上がる。教育コストが高くなり自社で大量の新人を育成できない。

*5:個別のプロジェクトには参加せずに複数のプロジェクトのリソースを調整して売り上げを最適化する役割の人を想定しています。

*6:ただし、大きなSIの現職マネージャーが10年以内に職を失うような速度では変化しないと思います

*7:今時500万なら良い方だと思いますが。

*8:下請け契約やプロダクト開発会社への労働者派遣ではなく、ユーザ企業との契約です。

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