@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

Ractor

コア数を増やすと並列数は伸びるか?

8並列で3倍速 - @ledsun blog で、8並列で動くことがわかりました。 コア数を変えて計測してみました。 つかったEC2インスタンスは次の通りです。 インスタンスタイプ vCPU数 コア数 m6i.2xlarge 8 4 m6i.4xlarge 16 8 m6i.8xlarge 32 16 計測結果 4コアだと…

8並列で3倍速

EC2のvCPU数はハイパースレッディングを含む - @ledsun blog にて計測に使っているEC2インスタンスタイプが不適切であることがわかりました。 今度はm6i.4xlargeを使って計測します。 m6i.4xlargeは16vCPUあります。 コア数は8のはずです。 m6i.4xlargeの計…

EC2のvCPU数はハイパースレッディングを含む

何並列までいけるのか? - @ledsun blog で4並列で頭打ちになりました。 IOの影響をさらにそぎ落とすために、計測スクリプトを次のように改良しました。 require 'benchmark' require 'text_alignment' require 'active_support' require_relative 'config/i…

何並列までいけるのか?

Ractorちゃん並列化してたー。 - @ledsun blog でRactorで並列に動かせていることを確認しました。 しかし4コアのマシンで確認したため、並列数の上限がわかりませんでした。 そこでAWS上のEC2インスタンスを使って並列数の上限を調べます。 t3.2xlargeイン…

Ractorちゃん並列化してたー。

インスタンス生成コストが大きかった - @ledsun blog までやった結果、Ractor間で受け渡しているデータ構造が大分はっきりしました。 ここまできたら、送信データを保存しておけば、Ractor化している処理だけで実行出来るはずです。 次のような感じで、Racto…

インスタンス生成コストが大きかった

Ractor化する範囲を小さくしたら遅くなった - @ledsun blog で、Ractor化する範囲を小さくしたら処理が遅くなって混乱しました。 よくよくソースコードを確認したところ、変わっている場所がありました。 aligner = TextAlignment::TextAlignment.new(msg[:r…

Ractor化する範囲を小さくしたら遅くなった

GCの影響は少なそう - @ledsun blog で、コピーする範囲を小さくすることで高速化できそうと考えました。 そこで、根本的にRactor化する範囲を小さくします。 そうすることでRactorで受け渡しするデータを最小化し、なんならmoveします。 次のようなソースコ…

GCの影響は少なそう

AWS EC2上で並列処理の時間を再々計測した - @ledsun blog で、次の3つの仮説を立てました。 コピーがボトルネックではなかった コピーは減ったが相変わらずボトルネックである コピーで作られたオブジェクトのGCがボトルネックだった また1は可能性が低いと…

AWS EC2上で並列処理の時間を再々計測した

AWS EC2上で並列処理の時間を再計測した - @ledsun blog でAWS環境で計測したデータが、その前に計測したデータと違いました。 どっちが真かわからないのでもう一度再計測しました。 AWS上で3回目の計測 AWS上で2回目の計測 AWS上で1回目の計測 1回目が明ら…

AWS EC2上で並列処理の時間を再計測した

Ractor間のデータのやりとりでコピーを減らすには - @ledsun blog でAWS上で再計測してみると書きました。 再計測しました。 AWS上でのコピー1回と2回の処理時間の比較 あまり効果がないようです。 ローカルPCで試したときは、次のようにもう少し明確に効果…

Ractor間のデータのやりとりでコピーを減らすには

Ractor#send move:true したときに出た3つのエラー - @ledsun blog にて、ディープコピーを減らすためにmoveオプションを使いました。 ところがエラーがでました。またエラーの内容が難解で対応出来そうにありません。 そこで、ディープコピーを減らすための…

Ractor#send move:true したときに出た3つのエラー

詰まっているのはワーカーでなくパイプ? - @ledsun blog で、「Ractor間のデータ受け渡し時のコピーがボトルネックになっている」という仮説を立てました。 これを確認するために、Ractor間のデータの受け渡しをmoveにしてみます。 次のようにRactor#sendと…

詰まっているのはワーカーでなくパイプ?

並列数をかえても処理時間が変わらない謎 - @ledsun blog で「サチっているかもしれない」と仮説を立てました。 それを検証するために並列数を変えて計測してみました。 並列数と処理時間のグラフ 処理時間なので低いほど性能が高いです。 3どころか1並列で…

並列数をかえても処理時間が変わらない謎

とあるRuby on RailsアプリケーションのSidekiqで動くバックグラウンドジョブを高速化をしています。 CPUバウンドな処理に時間が掛かっています。 並列化して高速化できるか試しています。 RactorでWoker pool - @ledsun blog で、4コアのPCで並列化できると…

RactorでWoker pool

Ruby 並行・並列くらべ 2 - @ledsun blog でRactorの並列化とプロセスの並列化が大体同じような性能がでることがわかりました。 Ractorに絞ってもっと性能が出ないか試してみます。 Ractorを作る数を制限していないので、物理コアをこえる数のスレッドを作っ…

Ruby 並行・並列くらべ 2

Ruby並行・並列くらべ - @ledsun blog でRubyの並行・並列の効果を測ってみました。 DBへのIO時間があると、効果がわかりにくかったです。 DBへの書き込み処理をコメントアウトしてリトライしました。 結果 シリアル処理 シリアル処理の実行結果 2m 4s。 DB…

Ruby並行・並列くらべ

Ractorで並列に動いているっぽい? - @ledsun blog の続きです。 Ractorで並列処理が出来そうなので、他の方法と性能を比べてみました。 比べるのは次の4つの方法です。 シリアル処理 スレッド プロセス Ractor シリアル処理は比較用の逐次処理です。 あるAc…

Ractorで並列に動いているっぽい?

次の感じのRubyのソースコードがあります。 annotations_collection_with_doc.each do |annotations, doc| messages += Annotation.prepare_annotations!(annotations, doc, options) end Annotation.prepare_annotations!(annotations, doc, options)の先の…

一度moveしたオブジェクトは移動先のRactorが死んでも帰ってこない

moveしたオブジェクトを参照するとRactor::MovedError 次のRubyスクリプトがあります。 dead = Ractor.new {} dead.send STDIN, move: true STDIN.gets RactorにSTDINをmoveしてから、STDINを使います。 するとRactor::MovedErrorが起きます。 ~ ruby dead_a…

切符を通したときだけ通れる改札口Ractor

前回、Ractor.selectでtakeとrecvを両方待てることがわかりました。 これを使って切符を通したときだけ通れる改札口を作ります。 完成形 キーボード入力を待つRactor = Ractor.new { loop { Ractor.yield gets.chomp } } 改札口Ractor = Ractor.new(キーボー…

Ractor.recvの代わりにRactor.selectする

RactorはsendされたメッセージをRactor.recvで受け取ります。 Ractor.selectでも受け取れます。 例えば、次の例です。 r = Ractor.new do # message = Ractor.recv と同じ _, message = Ractor.select self p "Hello #{message}!" end r.send 'World' r.take…

歌うRactor

Ractorで歌ってみましょう。 歌う部分はRactorは関係ありません。出落ちです。 Ractor内で、spawnしたプロセスをメインスレッドでkillできるか確認します。 非同期なspawn関数をRactor内で実行する必要があるのかは知りません。 完成形 LYRICS =<

Ractor間のメッセージ送受信 Pull型とPush型

やることは前回と同じです。Ractorの構成を組み替えてみました。 Pull型とPush型 Ractorのメッセージ送受信にはPull型とPush型があります。 前回、メインスレッド(?)でRactorインスタンスをselectしてイベントを待ちました。Pull型です。 Pull型 今回、描…

Ractorを使ったTUIプログラムの一歩

前回のユーザー入力とクロックを両方待つプログラムを少し改造します。 Enter以外の入力を受け取る カーソルを移動せずに書き換える 後者はRactorは関係ないです。 Enter以外の入力を受け取る 任意の1文字を受け取るためにSTDIN.getchを使いたいです。 STDIN…

Ractorを試す 改訂版

macOS で https://github.com/ko1/ruby/tree/ractor のソースコードをビルドする方法を改善しました。 インストール先 コンパイルしたRubyをmake installしたら「PCの環境が壊れるかも」とビビっていたところ、 id:hanachin さんに ./configure --prefix="$H…

Ractorをつかうプログラムの練習 2つのイベントを待つ

Ractorをつかって、ユーザー入力とクロックを両方待つプログラムを書いてみます。 練習中であり、Ractorを使ったイケているソースコードではありません。 次のプログラムを実装します。 1秒毎にカウントアップします。 ユーザーがEnterキーを押したらカウン…

Ractorを使ってプログラムを書く練習    

注意:Ractorならではとか、計算効率の良さとか考えていません。 1から10までを足す # 最終結果送り先のRactor CR = Ractor.current r = Ractor.new { CR << Ractor.recv } 1.upto(10) do |i| # 数を足すRactorを作ってポインタを置き換える r = Ractor.new(…

Ractorを試す

Ruby3 さみっと online - connpass を見ていました。 Ractorの発表を見て使ってみたくなったので環境を整えてみます。 ビルドする https://github.com/ko1/ruby/tree/ractor のソースコードをビルドします。 git clone git@github.com:ko1/ruby.git ractor c…