@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

メンバーの教育を(有期の)プロジェクトリーダーの責務に入れてはいけない

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を読んで考えた話です。

30歳近くになっても無能、ということは、そいつはほとんどの場合、一生無能だ

と刺激的な言葉が使われています。 状況を限定すれば、一理あると感じる点があります。 表題の「メンバーの教育を(有期の)プロジェクトリーダーの責務に入れてはいけない」です。

結論

プロジェクトリーダーの最大の責務はプロジェクトを成功です。 メンバーの教育は、プロジェクト成功の阻害要因になっているときだけやります。

無能なやつには、意見を聞いても、ろくな話は出てこない。時間がもったいない

の例では、「意見を聞かない」という簡単な回避策があります。 回避策があるときは、教育の手間を掛けてはいけません。

そうは言っても、一緒に仕事する仲間はできるだけ賢くあって欲しい、自分の足を引っ張らないで欲しいと思うのが人間です。

教育は誰がやればいいのか?

ティーチングとコーチン

メンバーの教育は上司(ライン上の上司)がやります。 ここで、教育を大きく2つにわけます。 ティーチングとコーチングです。

プロジェクトに直結したティーチングはプロジェクトリーダーの責務です。 例えば「gitの操作に不慣れなメンバーに、gitの使い方を教える」(または教える人を割り当てる)のはプロジェクトリーダーの仕事です。

コーチングでは、本人に思考を促し、失敗に対して工夫し、何度か失敗を繰り返すのを見守り、成功まで導きます。 要はPDCAサイクルを回すサポートをします。 これは上司の責務です。

コーチの責務

コーチングの目的は、未知の問題にぶつかった時に、自ら工夫してチャレンジしていく能力と自信を身に着けさせることです。 本人が試行錯誤して成功にたどり着く必要があります。 時間が必要です。 またコーチ役は「教えちゃえば簡単なのに」を我慢する必要があります。

一人の人間が同時に、プロジェクトの成功を急ぐのと、メンバーの成長を待つのをやるのは無理です。 人を分けましょう。 プロジェクトリーダーが安心して、教育を手放せるように、他に教育を責務とする人を用意しましょう*1

*1:コーチングを上司の責務にして、プロジェクトリーダーの責務から引き剥がすのが、組織を作る人(CTO、VP of Engineering、人事部門)の責務です。