お寿司屋さんで握りランチを頼むと、大抵玉子焼きが手前に置かれます。「手前に置く」ということは「最初に食べろ」ということなので、なるべく最初に食べます。ただ、ご飯の最初に甘いものを食べるのはなんとなく据わりが悪いです。
この議論は昭和5年にはすでにあったようです。
「すし通」という昭和5年の本の「二十五、「鮨は玉子焼から」の論」によると
古くから「鮨は玉子焼から食べるものだ」とか、鮨通はそうするものだとか聞いている。で食通にいわせると、「玉子焼から食べると、そこの飯のよしあしや酢加減が一番よくわかる」と。
玉子焼き先派がいるようです。
そういえば一蘭でもラーメンの前に半熟塩ゆで卵をすすめています。
ゆでたまごは、口の中に残っている今までの味を全く無にし、次に口にする物の味を鮮烈にする効果があるともいわれています。最初に食べることで味覚がさらに研ぎ澄まされ、ラーメンの味をより鮮烈にまた奥深く味わうことができます
なるほど。続く握りを楽しむために、最初に玉子焼きを食べるのもよいのかもしれません。 「すし通」を読み進めていくと
鮪や穴子のような濃厚な味のものを食べてから最後に口直しに食べるのが至当である。
とあります。ですよね。僕にはこっちの方がしっくりきます。 そして、結論は
だからあえて「鮨は酢の物から」と言っておく。ただしこれは味覚上からの問題で、礼儀からいったら皿の一番前のものから食べ始めるべきものである。
あ、はい。ですよね。 玉子焼きが手前に置いてあったら手前から食べますよね。
まあ、なんとも据わりの悪い結論でした。