@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

フランス料理の歴史

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イタリア料理ほどバカすかトマト使わないし、調味料も発酵した旨みの強い調味料は無い(酢やワインはあるけど)。 全部旨味を作るのが食材由来になるから超大変。 食材を香り出しして、煮出して、スープ(ブイヨン)作って、それを詰めてソースにする。

を読みました。 どうしてフランスの料理がソースを重視する独特の料理になったのか気になりました。

意外に知らないフランス料理の歴史とは? | リゾート気分で楽しめる、熊谷のフレンチレストラン アミュゼ

1533年に当時のフランス王であるアンリ2世がイタリアのメディチ家のカトリーヌと結婚したことに起因します。カトリーヌはお抱えのイタリアンシェフを引きつれて、フランスに参上し、フランス宮廷内の料理を一変させました

トップシェフが再現するフランス古典料理「ラ・ヴァレンヌ」 ~ラ・シーム 高田祐介さん~ - 料理王国

ラ・ヴァレンヌが1651年に出版した『フランスの料理人』のルセットは、現代のフランス料理にかなり近い。まず希少性の薄れた香辛料が後退し、ハーブ類を使うようになっている。トリュフや、ローマ時代以降、影を潜めていたフォワグラなども復活した。

また、野菜やキノコの使用量が増え、素材の味わいを尊重する考え方が出てきたと同時に、食材の旨味を活用する技法が登場している。

どうやら17世紀頃にソースを重視する調理法が生まれたようです。 これがどういう環境が理由で生まれたのでしょうか?

トマトの雑学|トマトの歴史

トマトが一般の人の食用となったのは18世紀のことです

イタリアから料理が伝わった時代にはまだトマトは、一般には食べられていなかったようです。 現代のイタリアやスペインのように出汁の代わりにトマトを使うことはできなかったようです。

うま味の成分 | 日本うま味調味料協会

例えば日本料理では昆布(グルタミン酸)と、かつお節(イノシン酸)、西洋料理や中国料理では野菜類(グルタミン酸)と肉類(イノシン酸)を組合せてだしをとり、古くから料理に利用してきました。

野菜からグルタミン酸を取るためにソースを作る工夫が生まれたようです。 ほかにグルタミン酸を手軽に得る材料はなかったのでしょうか?例えば、昆布は無かったのでしょうか?

「世界の昆布」昆布の豆知識|昆布のことなら「昆布館」北海道・敦賀

一七世紀後半からフランスではケルプ工業がおこり、1692年ルイ十四世は王室海藻製造会社に1年のある期間、海藻採取の特権をあたえてます。ケルプとは大型褐藻類のことですが、これを焼いた灰の意味にも使われます。この灰をヨードや石けん、ガラス製造のためのソーダなどの原料に(後にはアルギン酸にも)用いるのがケルプ工業です。

昆布の仲間は存在するようですが、食用ではなかったようです。

チーズからはグルタミン酸が得られるのですが・・・

フルコースのデザートに、チーズ!? | チーズクラブ | 雪印メグミルク株式会社

フランス料理では、メインとデザートの間にフロマージュと呼ばれるチーズが出されるのが正式とされるのです。

なぜかチーズはデザートポジションに収まっています。 フランス料理がコース料理になったのは19世紀です。17世紀、ラ・ヴァレンヌの時代にチーズがどのように提供されていたかはわかりませんが、水や油に溶けないチーズを主な調味料とすることはなかったようです。

今のところ「フランスでは、グルタミン酸を得る手段がほかになかったため、ソースが発展した」仮説が有力そうです。