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無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

現在のロシアにとって第二次世界大戦の記憶は貴重なアイデンティティよすがとなっている。それは単にソ連という国家の勝利だったのではなく、ナチズムという悪に対する勝利だったのであり、ソ連はここで全人類的な貢献を果たしたのだという自負は現在も極めて強い。現在のロシアに暮らす諸民族に対しても、「共にナチスと戦った仲」だという意識は(ナショナル・アイデンティティとまでは言えないにせよ)一定の同胞意識を育む効果を果たしている。

プーチン氏が「ウクライナの非軍事化と非ナチ化を目指す」と主張*1するのは、こういう国民感情に訴えようとしたのでしょうか?

旧ソ連域内においては、ロシアの立場は真逆になる。ウクライナ危機や2008年のグルジア(現ジョージア)戦争の際に顕著に見られるように、ロシアは旧ソ連諸国に住むロシア系住民やロシア語話者に対して(国際法上の帰属とは関係なく)R2Pを負っているのだと主張し、法的親国の意向を無視した軍事介入を行った(第3章を参照)。

2022年のウクライナ侵攻も同じ考え方、なのでしょうか?

旧ソ連諸国の中には、①ロシア主導の政治・経済・安全保障枠組みに加盟し、ロシアと概ね共同歩調をとる国々(カザフスタンベラルーシアルメニア等)が存在する一方、②ここから距離を置いたり(ウズベキスタントルクメニスタン等)、③さらにはNATO欧州連合(EU)への加盟を目指す国々(ウクライナグルジア等)が存在する。

3の国々へ積極的に軍事介入しているようです。 ここがロシアにとっての分水嶺、例えばウクライナNATO加盟を黙認すれば他の国もこぞってロシア以外の勢力圏に鞍替えしそうな情勢、なのでしょうか?

20220227 追記

ロシアはこれだけ西側に協力しているのに、全く顧みられることがない。それどころかロシアの「勢力圏」を切り崩し、NATOを拡大させているというのは、一体どういうことなのだ。あまつさえ教師のような顔でロシアの国内問題に説教を垂れてくるとは傲慢ではないか

ロシアの感情面の不満としてわかりやすいです。

ロシア側はMAPを「引き返し不能地点」と捉えていた。これまでのパターンでは、MAPに加えられた国々は後に例外なく正式加盟を果たしており、したがってグルジアウクライナに対してMAPが発出されれば、両国の加盟はもはや秒読み段階であるとロシア側は考えたのである。

旧ソ連諸国がNATOに加入するのを大事だと捉えているようです。

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