@ledsun blog

無味の味は佳境に入らざればすなわち知れず

心理的安全性

心理的安全性」という言葉の使われ方にモヤモヤすることがあります。 例えば

  • 心理的安全性があるので、攻撃的な言葉を使って他人を批判しても良い
  • 経営上の理由があっても解雇されるのは心理的安全性を損なう

このような使い方をしたら、ある個人の求める「心理的安全性」が他社の「心理的安全性」を損ないそうです。 「心理的安全性」とは、このような矛盾した概念なのでしょうか? そこで次の文献に当たりました。

この本は「心理的安全性」の提案者の本です。 「心理的安全性」が何かを理解するのに最適な雰囲気がします。 実際に読んでみると「心理的安全性」が何かを知るには、本文より解説が役に立ちました。 自分の理解を書いてみます。

心理的安全性」とはグループの状態を表す言葉です。 グループに所属する個人が感じるものではありません。 ですので「私の心理的安全性を損なう」という言い方は、「心理的安全性」の本来の定義からすると、矛盾した表現です。

また「心理的安全性」とは、イノベーションが起きるグループの性質を表した言葉です。 イノベーションが起きるグループは

を持っています。 多様性から今までにないアイデアの組み合わせが生まれイノベーションが起こります。 多様性のあるグループでも「他人と違う意見を言う」ことを恐れるグループでは多様な意見が出ません。 「心理的安全性」とはイノベーションが起きるグループの「他人と違う意見を言っても良い」性質を表す言葉です。

解雇される場合も、異なる意見を封殺するための解雇であれば「心理的安全性」を損ないます。 一方で、経営資源を集約するためなど別の理由のための解雇であれば「心理的安全性」は損ないません。 もちろん解雇することで多様性は損なわれます。 一時的にイノベーションは遠のくと思います。 それは経営上の失敗の結果です。 グループの多様性が市場に合っていなかったから、起きたイノベーションも市場に合わなかったのかもしれません。 一時的にグループを小さくして多様性のあり方を変更するのは、それほどおかしい話ではないように感じます。